園医から

※子どもたちの健やかな成長を願って!
2024年2月・2024年3月合併号
赤坂 徹

 
 

1.「災害は忘れた頃にやって来る。」だから忘れずに備えましょう。

1月1日に能登半島地震があり、その後の積雪で建物の倒壊が進み、
余震や山崩れにより道路の補修や電気、水道などのライフラインの復旧が遅れています。
繰り返す災害は予測できませんが、私達が東日本大震災で学んだことを生かして対応しましょう。
大震災があった3月11日か、救急の日の9月9日を「家族防災の日」と決めて対策してみてはいかがでしょうか。
 

1)非常食、非常用備品を確認しましょう。

①非常食:賞味期限を確認し、期限間近なものは消費して、家族防災の日に合わせて補充。
②非常用備品:ラジオや懐中電灯の乾電池、携帯電話の充電、車のガソリンを補給。
③携行用備品:現金、携帯電話、パソコン、運転免許証、常備薬(整腸剤、解熱鎮痛薬、バンドエイド、包帯など)、処方された医薬品(内服薬、外用薬)、保険証、診察券、お薬手帳(緊急時に処方箋の代用可)、母子手帳などを準備。
 

2)連絡方法を家族で確認しましょう。

学校、学童保育、幼稚園、保育園などのお子さんの居場所と連絡方法、避難場所を確認。
施設ごとの災害時対応法を確認。
 

3)電気、水道、ガスが供給されない緊急事態に備えましょう。

①電気:オール電化では室内灯、エアコン、洗濯機、固定電話、トイレ(ウオシュレット)、
風呂、電気コンロ、電子レンジ、オーブン、電磁調理器具(IHヒーター)などが使用不可。暖房器具、コンロ、風呂の熱源を都市ガス、プロパンガスや石油を併用。風呂水を溜めて、トイレの排水や洗濯に利用。停電になって外出する時、暖房器具や炊事器具などのスイッチを切り、念のためブレーカーを遮断する。留守中に通電が再開し、暖房や炊事器具から引火して火災になることもある。
②飲料水:ペットボトルなどの容器に飲料水を備蓄。
③ガス:都市ガス、プロパンガスが使えない時にカセットコンロを代用。
④停電時は信号機も動かないので、自動車や自転車の運転、歩行時にも注意。
 

4)災害時の生活環境

①自宅や避難所で使える内履き用の靴を用意。窓ガラスや破損した窓ガラスや家具で怪我をしないように注意。深い刺し傷から破傷風になることもある。
②自転車用のヘルメットを含め人数分を用意。
③洗濯ができないので着替えが出来るように、暖房が止まるので着重ねで対応。
④保存、廃棄、暖房など多目的に使える新聞紙、紙袋、ビニール袋などを用意。
⑤調理前の手洗い、使い捨ての手袋を使用。排泄後には石鹸と流水による手洗い。
 

5)避難所での生活

A)地域で指定された第1次避難所
①避難所使用の期間が不明で、一時帰宅が可能であれが1週間程度に必要な物を持参。
②居住部分を清潔に使用。共同で利用する調理室、貯蔵庫、トイレは整理、清潔の保全。
③入浴施設(自衛隊など)は利用時間を守り、心身の健康のために活用。

B)地域で指定された第2次以降の避難所
①避難期間が長いので、備え付けの家具や器具以外で日常生活に必要な物を持参して設置。
②居間、寝室、トイレ、浴室、貯蔵庫を転居後に利用される方の事を考えて大事に使用。

 
 

2. 災害時のアレルギー児の対応マニュアルから(日本小児アレルギー学会作成)
 

A)気管支喘息

①発作強度に合わせた治療薬(:吸入薬、経口薬、貼付薬など)が手元にあるのを確認する。
②発作時にはβ2刺激薬を吸入する。効果が不十分なら救急外来を受診もしくは救急車を要請する。停電の場合、電動ネブライザーが使えないので、電池式のネブライザーもしくはハンドネブライザーを使う。年少児には紙コップをハンドネブライザーの先端につけて口と鼻を覆い、吸気時に噴出させる。
 

B)アトピー性皮膚炎

①炎症を抑えるためにステロイド外用薬を1日2回塗布する。常用している外用薬が手元にない場合、薬剤師に相談して同等薬を代用する。
②痒みを抑える抗アレルギー薬(抗ヒスタミン薬)を内服する。濡れタオル等による皮膚の冷却が有効な場合があるが、乳幼児では低体温に注意する。
③スキンケアには皮膚を清潔に保ち、保湿薬を外用する。
 

C)食物アレルギー

(1)アナフィラキシーへの対応
①アドレナリン(ボスミン又はエピペン)を大腿部中央の前外側に筋肉注射(筋注)する。
②仰臥位で下肢を挙上する。突然の体位変換を避ける。
③アドレナリンの効果が乏しい場合、5~15分間隔で筋注を繰り返し、救急車を要請する。酸素吸入と急速輸液を併用する。

(2)災害時のアレルギー食対応
☆誤食を防ぐための指導
①非常食や炊き出しにはアレルギーの原因となる食物が混入している可能性がある。
②加工食品を食べる前には、原材料表示(鶏卵、牛乳、小麦、ソバ、ピーナッツ、エビ、カニは微量でも表示)を確認する。

☆アレルギー対応食品の配布
①アレルギー食材を配布する取り組みがある場合には患者に紹介する。
②牛乳アレルギー患者用ミルクは、牛乳アレルギー児に優先して配布する。
③アルファ化米は、米アレルギーでなければ食物アレルギー児でも食べられる。ただし、五目ご飯もあり、原材料表示には注意する。