園医から

※子どもたちの健やかな成長を願って!
2022年10月・11月合併号
赤坂 徹

 

1.ワクチンで予防できる病気(Vaccine Preventable Disease:VPD)

インフルエンザワクチンは10月から接種が可能となりました。
今年から年齢の制限がありますが、新型コロナウイルスワクチンとの
同時接種ができるようです。
インフルエンザの流行は過去2年間では世界的にも低くなったのですが、
今年の南半球の冬に相当する6月から7月頃に流行がありました。
新型コロナ感染もこれまで年末年始に感染が拡大しており、
インフルエンザとの同時流行が心配されています。現在、新型コロナ感染のみが注目されていますが、
これまでと同様にワクチンで予防できる病気への対策に努めましょう。

 
1)ワクチンの意味
ワクチンはその作用、副作用は科学的に検討され、国が接種を認めたものです。集団生活の中で多くの人がワクチンを受けていると、その病気を防ぐことができます。しかし、風疹の流行で見られたように、ワクチンを受けてない成人男子が風疹に罹って、免疫(風疹への抵抗力)がない家族に移すことがありました。皆さんで協力して予防しましょう。これらの病気の診療に当たる医療・看護系の大学(養成機関)に入学する際に、麻疹(はしか)、風疹、水痘(みずぼうそう)、流行性耳下腺炎(おたふくかぜ)の抗体価を測定し、抗体価が低い場合にはワクチンを接種することになっています。

 
2)ワクチンの種類
ワクチンには予防接種法で定められている「定期接種」とそれ以外の「任意接種」があります。下線のあるものは生ワクチンで、BCG(結核)は1回の接種、MR(麻疹、風疹)、水痘、流行性耳下腺炎は2回、ロタウイルスは2回もしくは3回の接種です。それ以外の不活化ワクチンは3回以上の接種です。次回までの間隔や別のワクチンとの間隔が決められていますので、お問い合わせ下さい。ロタウイルスは生後6週から1回目を始めるように、その効果や副作用に合わせて接種時期が設定されています。正しい知識を持って決められた年齢に決められた回数を受けましょう。
定期接種ワクチン:四種混合(ジフテリア、百日咳、破傷風、不活化ポリオ)、BCG、MR(麻疹、風疹)、日本脳炎、ヒブ(Hib:インフルエンザ菌b型)、小児用肺炎球菌、ヒトパピローマウイルス(HPV:子宮頸癌及びHPV関連疾患)水痘(みずぼうそう)、B型肝炎
任意接種ワクチン:ロタウイルス、流行性耳下腺炎(おたふくかぜ)、インフルエンザ

 
3)新型コロナウイルスワクチンの5~11歳の子どもへの接種(小児接種)について
令和4年10月現在での小児接種は令和5年3月末まで実施されますが、日程などは自治体ごとに決められていますので、市町村からの広報などをご確認下さい。
初回接種はファイザー社のもので3週間を置いて2回、追加接種は2回目接種後5か月以上間隔を置いて1回実施します。

 

2.乳幼児のうつる病気(感染症)といつまで休ませるかの目安

幼稚園を休ませるか、病院に行くかどうかを迷うことがありますね。37.5度以上の発熱、体にぽつぽつ(発疹)、下痢、嘔吐などはうつる病気の可能性がありますので病院を受診しましょう。鼻水、咳、ゼーゼー(喘鳴)、呼吸困難がある時、いつもと違って元気がない場合にはうつる病気ではないかもしれませんが、受診をお勧めします。うつる病気には学校感染症として出席停止の期間が定められている場合があります。受診して担当医にご相談下さい。一般的には病気の症状が消失もしくは減少して、睡眠、食事、運動など通常の生活ができるようになってから登園しましょう。

 
1)代表的な学校感染症の出席停止の期間
 

感染症 ()内は一般名  日本の基準(学校保健安全法施行規則)
インフルエンザ 発症した後5日を経過し、
かつ解熱した後2日(幼児にあっては3日)を経過するまで
百日咳 特有の咳が消失するまで、
または5日間の適正な抗菌薬による治療が終了するまで
麻疹(はしか) 解熱した後3日を経過するまで
流行性耳下腺炎 唾液腺の腫脹が発言した後5日を経過し、
かつ全身状態が良好であること
風疹(三日はしか) 発疹が消失するまで
水痘(水ぼうそう) 全ての発疹が痂疲化(かさぶた)するまで
咽頭結膜熱(プール熱) 主症状が消退した後2日を経過するまで
結核 病状により感染の恐れがないと認めるまで※
髄膜炎菌性髄膜炎 病状により感染の恐れがないと認めるまで※
腸管出血性大腸菌感染症 病状により感染の恐れがないと認めるまで※
溶連菌感染症 抗菌薬1~2日間服用後
マイコプラズマ感染症 全身状態が改善して元気な時
ウイルス性胃腸炎 激しい下痢、嘔吐がなくなってから
結膜炎 病状により感染の恐れがないと認めるまで※
伝染性紅斑(リンゴ病) 発疹出現時には感染力がないので登校(園)可

 
※学校医(園医)、その他の医師が感染の恐れがないと判断した時には登校(園)が許可される。

 
2)新型コロナウイルス感染症の療養解除基準について
新型コロナウイルス検査陽性の場合、令和4年10月時点での療養解除基準を示します。
症状がある場合:発症日から7日間を経過し、かつ、症状軽快から24時間経過している場合、8日目から療養解除を可能とする。ただし、入院している場合には発症日から10日間経過し、かつ症状軽快後72時間経過した場合には11日目から療養解除を可能とする。
無症状の場合:検体採取日から7日間を経過した場合には8日目に療養解除を可能とする。加えて、5日目の検査キットで陰性を確認した場合、5日間経過後(6日目)に療養解除を可能とする。