園医から

※子どもたちの健やかな成長を願って!
2020年6月・7月合併号
赤坂 徹

 
 

1.新型コロナウイルス感染症について
 

1) 発見から診断に至る経過

中国の市場から発熱を伴った肺炎が動物を介して蔓延したように報道されました。これまで経験したことがないウイルス性肺炎で、大型クルーズ船でも発症して神奈川県の港に停泊しました。
原因不明の感染症を解明するには、初めにどのような症状で、どのように変化したのか、血液等の検査を実施し、死亡した患者さんについては病理解剖がなされます。回復した患者さんからの検査結果も役に立ちます。これらの情報を総合して判断しますが、どれとして特別なものはありませんでした。その後に新型コロナウイルスが咽頭粘液によるPCR検査によって病気の原因であることが明らかにされました。
しかし現時点では特別な治療法、ワクチンなどの予防法が解明されていません。全世界で協力したとしても1年以上はかかることでしょう。従って感染症の一般的な対策として、マスク、うがい、手洗いを励行し、3密(密閉、密集、密接)を防ぐことしかありません。
 

2) 診断から治療への繋がり

現時点では診療所や病院で新型コロナウイルス感染症が疑われた場合、保健所を経由してPCRが実施できる発熱センターを紹介されます。その結果と重症度で医療施設が選択されます。症状が軽微であれば健康管理が可能な宿泊施設、軽症から中等症は指定医療機関、呼吸困難などの重篤であれば人工換気機器とスタッフが常備されている専門医療機関に入院することになります。死亡された人数以上の回復された患者さんがいます。どのように回復したのかを明らかにすることも重要です。
 

3) 通常の小児科診療について

このような時ですが、病気に罹ったらかかりつけの小児科医を受診し、必要とされる乳幼児健診、予防接種は必ず受けましょう。新型コロナウイルス感染症だけが病気ではありません。受診時には付き添いの大人もマスクをしましょう。受診理由をメモにしておくと聞き洩らしがありません。発熱では体温の変化、下痢、嘔吐であれば回数も診断の参考になります。

 
 

2.夏に向けて暑さ対策
 

1)紫外線の問題点とその対策

6月になると曇っていても紫外線が強くなります。日焼けは健康そうに見えますが、現在で
は紫外線は皮膚の癌(がん)を引き起こすとして、日に焼けないように勧められます。
[対策] 外出する時には帽子をかぶり、プールや屋外スポーツでの休憩は日陰でとるように
しましょう。車内への日差しを避けるような覆いをつけることも役立ちます。

 
 

3.熱中症の問題点とその対策
 

暑い日に車の中に置いておかれたり、炎天下で長時間スポーツをすること、新型コロナウイルス感染症の対策でマスクを長時間付けていると、めまい、頭痛、腹痛、嘔吐、だるさを訴えるようになります。そのままですと、意識を失ったり、死に至ることもあります。

[対策] 帽子をかぶり、涼しい服を着せましょう。睡眠不足や体調不良の時、炎天下での運動を避けましょう。冷房をつけた状態でもお子さんを車の中に残さないようにして下さい。ベビーカーは地面からの照り返しが強いので、体温上昇に気をつけましょう。汗で失われた水分と塩分を補給には脱水を治療するためのイオン飲料(補水液)が利用できます。これらの対応で回復しなければ医療機関を受診しましょう。緊急時は救急車で向かいます。

 
 

4.旅行の注意
 

夏季休暇に家族で旅行があるかもしれません。お出かけの時は万が一のことを考えて、保険証、お薬手帳、母子手帳(受診時に役立つ情報があるため)をお持ち下さい。
 

1)生活パターン:食事や睡眠のスケジュールが変わると、体調不良になることがあります。外食ばかりでは栄養が偏り、食べ過ぎや、食中毒の心配も出てきます。睡眠も不規則になり、十分な休息がとれないこともあります。

[対策] お子さんの通常の食事や睡眠などのスケジュールになるべく合わせて、心身への負担を減らしましょう。
 

2)新幹線:短時間の乗車でも冷房が強くて体が冷えてしまうことがあります。
[対策]室温に合わせて着せたり脱がせたりしましょう。
 

3)自動車:狭い車内に閉じ込められているようなものですから、不機嫌になりがちです。冷房があったとしても太陽光による輻射熱で熱中症になることもあります。
[対策] 途中でトイレのためにも休憩時間を設けて、全員が休みを取りましょう。