園医から

※子どもたちの健やかな成長を願って!
2019年6月・7月合併号
赤坂 徹

 
 

1.夏に向けての暑さ対策

1)紫外線の問題とその対策

6月になると曇っていても紫外線が強くなります。
日焼けは健康そうに見えるのですが、紫外線が皮膚の癌を引き起こすとして、
日に焼けないような対応が勧められます。
【対策】外出する時には帽子をかぶり、プールや屋外スポーツでの休憩は日陰でとるようにしましょう。
 自動車への日差しを避けるような日よけをつけることも役立ちます。
 

2)熱中症の問題点とその対策

暑い日に冷房がきかない車の中にいたり、炎天下で屋外活動を続けると、めまい、頭痛、腹痛、嘔吐、だるさを訴え、対応が遅れると意識喪失、痙攣から死に至ることもあります。
【対策】帽子をかぶり、涼しい服を着せましょう。睡眠不足や体調不良の時、炎天下での運動を避けましょう。冷房をつけた状態でもお子さんを車中に残さないようにして下さい。ベビーカーは地面からの照り返しが強いので、大人が感じるよりも体温が上がりやすいので気をつけましょう。汗で失われた水分と塩分を補給しなければなりません。塩分(電解質)のバランスが取れたイオン飲料(補水液)を利用しましょう。これらの対応で回復しなければ医療機関を受診し、緊急時には救急車で病院に向かいます。
 

3)旅行の注意

楽しいはずの旅行も小さなお子さんにとって心身に大きな負担を与えることがあります。緊急時のため保険証、お薬手帳、母子手帳(受診時に役立つ情報がある)をお持ち下さい。
生活パターン:食事や睡眠のスケジュールが変わると体調不良になることがあります。
外食ばかりですと栄養が偏り、食べ過ぎや、食中毒の心配も出てきます。睡眠も不規則になり、十分な休息がとれないこともあります。気をつけてあげましょう。
【対策】お子さんの通常のスケジュールに合わせて、心身への負担を減らしましょう。
 新幹線:短時間の乗車でも冷房が強すぎて体が冷えてしまうことがあります。
【対策】室温に合わせて着せたり脱がせたりしましょう。
 自動車:狭い車内に閉じ込められているようなものですから、不機嫌になりがちです。
 冷房があったとしても窓から入る太陽光による輻射熱で熱中症になることもあります。
【対策】トイレのためにも休憩時間を設けて、全員が休みを取り水分を補給しましょう。

 
 

2.排尿と排便について

飲んだり食べたりしたら、体に必要なものを吸収し、不要なものを尿や便として排泄します。規則正しい生活、睡眠と共に食事や排泄の時間を守りましょう。
 

1)トイレットトレーニング

2歳頃から排尿した様子が分かり、自分でもおしっこが出たと言えるようになることが多いようです。尿量が比較的少なく、薄着になる春から夏に始めましょう。焦らずできた時にはいっしょに喜びましょう。排便は臭いで気づくので、間隔がわかります。食事が腸管の動きを促すので、食後に一緒にトイレに行ってみましょう。子ども用の便座を付けると安心できるでしょう。出ないのに長くトイレに座ることがないようにします。
 

2)排尿について

排尿時痛や頻尿では膀胱炎のような尿路感染症、尿量が多くなるような糖尿病かどうかは簡単な尿の検査でわかります。
 
頻尿

頻繁にトイレに行くような場合を頻尿と言います。尿が出たいと感じますが、ほとんど出ていません。幼稚園での行事や発表会の前に、先生や保護者の方々から「おしっこをしましたか。」を繰り返し言われていると、緊張してトイレに駆け込みます。その対応としては急かせず、温かく見守ってあげましょう。そのうち症状が全く見られなくなります。
 
尿症(おねしょ)

夜尿症は生まれてから続いているものと、コントロールできた後から再度始まることがあります。ほとんどが治っていくものなので、焦らず、叱らないことが重要です。まず尿の検査を受けて医学的治療が必要でないことを確かめましょう。
規則正しい生活が基本です。夕食は早めに摂り、食事中は水分を制限しません。夕食後は水分、食事をとらないこと、ぬるめのお風呂に短時間入り、就眠前に排尿させます。その後は排尿のため起こさないことです。冬は暖かいパジャマ、必要なら靴下を身に着け、尿が布団まで染みないようにビニールを敷いて対応しましょう。オムツを付けたままですと、本人が安心して排尿のコントロールができません。夜尿の回数や量が減ってきたらオムツをはずしてみましょう。弟妹との比較をせずに自尊心を守ってあげることが肝要です。
効果がない場合には有効な内服薬がありますので、医師にご相談下さい。
 

3)排便について

①排便の習慣
排便の習慣は食事と同じように規則正しい生活の基本です。年齢に応じて対応します。
 
便秘症

乳児:母乳栄養であれば人工栄養に比べて便は柔らかく、回数も多いのが普通です。肛門を刺激しても排便がないようなら、マルツエキス(麦芽糖)を飲ませてみましょう。離乳食が始まると便の色や硬さが変化します。便秘が続くと、お腹が張って嘔吐することもあります。小児科医を受診して便を柔らかくする薬を使ってみましょう。

幼児以降:野菜、果物、肉、魚などのバランスの取れた食事にしましょう。柔らかく、
消化しやすい食事のみを食べていると、ほどよい硬さの便になりません。便秘が続くと、お腹が張って、腹痛、嘔吐、食欲不振になり、硬く大きな便を強く排泄することで肛門に傷がついて痛みや出血をみることがあり、本人から排便しなくなります。
食事をすると腸が動き出し排便したくなります。幼稚園や学校のトイレに慣れていないために、途中で失敗してトイレ嫌いにならないようにしましょう。これらの試みが有効でなければ、小児科医を受診して便を柔らかくする薬を使ってみましょう。