園医から

※子どもたちの健やかな成長を願って!
2019年(令和元年)10月・11月合併号
赤坂 徹


1.「災害は忘れた頃にやって来る。」だから忘れずに備えましょう。

大きな台風がやってきて豪雨、強風、洪水の被害が各地で報告され、
沿岸では高潮による洪水が見られました。
千葉県では停電が続き、家屋崩壊の改修が済んでいない状態で台風が襲来しています。
繰り返す大災害は予測が難しいようですが、それに備えるために、
私達が東日本大震災で学んだことを生かして対応しましょう。
大震災の3月11日か、救急の日の9月9日に家族の災害対策日を決めてはいかがでしょうか。

 

1)非常食、非常用備品を確認しましょう。

非常食の賞味期限を確認し、家族で一緒に消費したら、次回の災害対策日まで補充しましょう。ラジオや懐中電灯の乾電池、携帯電話の充電、車のガソリン補給もできる時にやっておきましょう。非常用備品と共に現金、常備薬、保険証、診察券、お薬手帳、母子手帳を携行できるように準備しましょう。
連絡方法を家族で確認しましょう。
学校、学童保育、幼稚園、保育園などのお子さんの居場所と連絡方法、避難場所を確認しましょう。

 

2)電気、水道、ガスが供給されない緊急事態に備えましょう。

➀電気:オール電化では室内灯、エアコン、洗濯機、固定電話、トイレ(ウオシュレット)、
風呂、電気コンロ、電子レンジ、オーブン、電磁調理器具(IHヒーター)などが全部止ま
って大変でした。暖房器具、コンロ、風呂の熱源を都市ガス、プロパンガスや石油を併用
してはどうでしょうか。風呂水を溜めて、トイレの排水や洗濯に使いましょう。
②飲料水:ペットボトルなどの容器に飲料水をためておきましょう。
ガス:都市ガス、プロパンガスが使えない時にカセットコンロを代用します。

 

3)その他:皆さんで話し合って対応しましょう。

 

 

2.インフルエンザの流行がいつもより早く始まりました。

インフルエンザは大人も子どもも罹る冬に多い病気で、今年は出足が早くその動向が気になる季節になりました。国際スポーツ大会や観光旅行による人口移動があり、北半球の夏に冬である南半球からインフルエンザが流行することが考えられています。鼻水、咳、発熱から始まって気管支炎、肺炎を合併することがあります。

 

1)診断(インフルエンザかしら?)

症状のみでは風邪(急性上気道炎)と区別できません。発熱を認めてから6~8時間後に鼻の穴に綿棒を入れて検査すると、15分間位でインフルエンザAかBか、どちらでもないと判定できます。集団生活の感染状況を判断するために検査を実施してきましたが、過剰な治療を減らすためにも検査が役立つと考えています。

 

2)予防(インフルエンザに罹らないために)

インフルエンザは乾燥した冷気、冬に多い呼吸器感染症です。人込み、デパート、遊園地、スポーツの試合などで感染が広がります。流行期には外出を控えた方が良い理由です。
マスクの使用、うがいや手洗いに加えてインフルエンザワクチン接種をお勧めします。現在のワクチンはその年に流行するA型の2種とB型の2種が混合され、13歳未満で2回接種されます。流行が始まる前に済ませて下さい。

 

3)治療(インフルエンザに罹ったら)

インフルエンザウイルスが増えるのを抑える飲み薬、吸入薬、注射薬があります。投与方法により効果に差があると思えませんが、飲めるか、吸入できるかどうかで選ばれ、出来ない場合に注射が選ばれます。1回のみの投与でよい薬剤がありますが、それで効果があるのではなく、効果出現までには日数がかかります。2007年からタミフルの10代への使用を禁止してきましたが、異常行動との因果関係が明確でないとして、2018年8月に使用制限が解除されました。厚生労働省はインフルエンザ治療薬の処方に関わらず、小学1年から19歳までインフルエンザになった場合は少なくとも発熱から2日間は玄関に施錠したり、ベランダに面していない部屋に寝かせたりするなど、異常行動に注意を払うように呼びかけています。
内服薬(飲み薬):①タミフルがあり、37.5㎏以下ではドライシロップ、それ以上はカプセルで1日2回、5日分服薬します。②ゾフルーザは体重が10㎏以上で錠剤が飲めれば1回のみの服用です。
吸入薬:①リレンザを1回2吸入1日2回5日間使用します。②イナビルを10歳未満は2吸入、10歳以上は4吸入を1回のみ使用します。
注射薬:経口薬や吸入薬が使えない場合、ラピアクタを点滴注射します。

 

4)感染拡大を防ぐために

学校保健安全法では「発症した後(発熱が始まってから)5日を経過し、かつ、解熱した後2日(幼児では3日)を経過するまで出席を停止する。但し、発症した日(発熱した日)及び解熱した日は含まない。」と決めてあります。保育園、幼稚園もこれに準じます。
小学校などの臨時休業の基準は次の通りで、学校長(園長)が学校医(園医)と相談して決定します。
学級閉鎖:学級内に3~4人(10%)の患者が発生した場合(1学年1学級の場合は学年閉鎖とする)
学年閉鎖:同一学年の複数の学級において学級閉鎖となる場合
休校:複数の学年において学年閉鎖となる場合